こんにちは。TAKASEAです。
前回はAQAMさんのロッド修理した時のことについて書きました。
今回は、私が折れたロッドを修理するにあたって、どんな考え方をして、そういう修理方法に行き着いたか。ということを書いていきたいと思います。
ロッド修理をするキッカケ
去年の7月頃ですかね。私は鹿島灘のテトラ帯で、ヒラメやヒラフッコが結構思った様に釣れた時があって調子に乗っていました。
そんな時です、段差の大きいテトラを登った時にファスナーを閉め忘れたポケットからジグケースがテトラの中に落下して、カシャーン…、ザザーンって…。
「うっわー!マジかよ‼︎」って叫んでました。
よく見ると、まだ拾えそうなジグもあります…。
『拾える分だけでもジグを拾いたい!ジグヘッドのフックをガイドに引っ掛けて足場の良いところにロッドを置いてこよう!』と思いました。
ジグヘッドを掴んでガイドのところまでグイッとした瞬間…、パキッと乾いた音と共にロッドの先端がシュルルルと手元に落ちてきます…。
⁇最初は理解できませんでした。でもすぐに「マジかよ〜‼︎」という叫びと共に理解しました。
折れたんです。ロッドが。タラシが短いのに無理に引っ張った結果ですね。私が悪いです。
その時折れたのは、テイルウォークのショアスティック96Lというシーバスロッドです。
B級品という事で、8000円で買ったんですが、多少の不具合とその手直しをした結果、かなり気に入った一本となっていました!ヒラメやヒラフッコは、主にこのロッドで釣っていました…。凄く使用感も良く、そして釣果も出せていたロッド…、本当に気に入っていました。
因みにジグは5個だけですけど拾えました。その他20個程は海の藻屑となって、その中にはタングステンジグも5個位入っていて、気持ちが荒みましたね。
まぁ、そんな辛い思い出は置いといて、不注意でお気に入りのロッドを折ってしまったんです。
どうする?その抜けた戦力?
私はMHのショアジギロッドだけでは当時は軽いジグヘッドなどを扱えなくて、シーバスロッドも一緒に持ち込んでヒラメやシーバスを釣っていたんですね。
そのロッドだから釣れていたとも思っていた私は焦りました。
『代わりのシーバスロッドを買おうか…、でも安いシーバスロッドはなぁ…。感度とかどうなんだろう?』なんて考えてました。そもそも、B級の8000円のロッドしかシーバスロッドは使ったことないくせに、生意気ですよね〜。
でも、そのショアスティックってロッド、感度も凄く良くて、パリッとした良いロッドなんですよ。元の値段を調べてみたらメーカー希望小売価格20900円だったと思います。
つまり私が持っているロッドの中でも、当時ぶっちぎりで良いロッドだった訳です。
新しいロッドを買う余裕も正直無く、メチャクチャ気に入っているロッドをそのまま捨てるのも勿体ないと思った私はネットで調べ始めました。
すると、どうやら直すことはできるらしい。色んな直し方もあるみたいです。
ダメ元で直してみることにしました。上手く修理出来なかったら、その時は新しいロッドを買えばいいですしね。
トライ1
構想としては、先端から4番目と5番目のガイドの間が折れたので程よく曲がって貰いたい部分かなと思い、カーボンチューブラーの磯竿のティップを切り出して中子にし、カーボンロービングで補強し、それらの接着にはエポキシ樹脂を使うことにしました。
チューブラーの磯竿を中子にする事で、程よくしなってくれるんじゃないかと。樹脂もエポキシという程々の硬度の物なので、しなやかなロッドに丁度良いのではないか?と考えました。
折れた部分同士も突き当てない様に、1cm程あけて繋ぎました。突き当てない事で応力の集中を避けようと思ったんですね。
直して曲げてみると、繋いだ部分が周囲より気持ち曲がります。『柔らかすぎ…?』確認の為に実際使ってみました。
結論から言うと、凄く感度の良かったシーバスロッドがセットで売ってるサビキ竿みたいな感度に!w
うっそーん⁉︎って思いましたよ。
想定と違いすぎてました…。
ここで決意しましたよ…。どうせダメ元、やるなら納得いくまでやってやる!
トライ2
今度は磯竿の中子は変わらず、折れた部分同士を突き当てて、外側をカーボンロービングとエポキシ樹脂で固める作戦。
ここで問題です…。一度なおしちゃってるので、またバラバラにしないといけない。w
エポキシは熱に弱いらしく、ライターで炙ると上手く取れるらしいのですが、炙り過ぎはロッドによろしくない…、というわけで、ヤカンでお湯を沸かして、注ぎ口から立ち昇る蒸気で熱を加えて、エポキシを柔らかくしながらカッターでカーボンロービング を削りとり、やっと折れた竿を中子で繋いだだけの状態に、ここから中子を抜こうとしたんですが、無理でした。
しょうがないので、先端側のつなぎ目で切って、先端側に差し込んだ中子は削り取ることにしました。
100均のダイアモンドヤスリで必死に、そして削りすぎない様に丁寧に頑張りましたよ。w
先端側の中子は無事に削り取りました。
ここまでの労力を考えて、下竿側はそのままにして、隙間を作るための1cm突き出た中子を、先端側に差し込むことにしました。
当然そのままでは中子が太くて入りません。サンドペーパーで外径を削り細くします。かなり薄くなりましたね…。『でも、強度は外側に巻くカーボンロービング と樹脂で出せるはず…』と思って作りました。
そしてテストです。キャストウェイト上限に近いメタルバイブ26gを那珂川河口で投げました。耐えました…、ただしビビってフワッと投げてます。
3投目、心を決めてフルキャスト!
ッシャ…。変な音がして折れました。
中子が薄すぎたせいで、潰れて折れました…!
たった3投のために往復3時間弱…。なんで近所の川でやらなかったんだろう…。w
トライ3
やり直します。
湯気で外側を柔らかくして削り、折れた中子はフックを作って引っ掛けて割ったり、削ったりしながら綺麗に取りましたよ!www
一言いっときます。「メッチャ時間掛かった‼︎」
はい。というわけで振り出しに戻ったわけです。w
ここで、直し方を見直しました。
丁度いい柔らかさは、かなり難しい。ならば感度重視に方向転換することに。
感度重視の考え方は、繋ぎ目をカチカチに硬く繋ぐこと。振動は硬い方が伝わり易いと思います。糸電話もピンッと張ってた方が聞こえますよね。
中子はカーボンソリッドに、そしてカーボンロービング を巻くときに塗る樹脂はアクリル樹脂に。
アクリル樹脂というのはエポキシ樹脂に比べるとかなり硬いです。セメダイン社のメタルロックAY-123というホームセンターで1200円位のやつです。
カーボンソリッドを中子にする理由は、先竿側と下竿側をくっつけて繋いだ時に繋ぎ目のところで中子が潰れない為です。
私の考え方としては中子は、先竿と下竿がズレない為に入れるという感覚。なので、中子の接着にはエポキシ樹脂を使ってます。ここは硬さは重視してません。多少なりとも中子とロッドでたわむことができた方が良いのかな。と、思います。
こんな考え方で直しました。
実験です。キャストウェイト上限の28gのルアーがないので30gのメタルジグ をフルキャストします。
大丈夫です!w
一番使っていたジグヘッド21gで感度の確認をします。
コレも大丈夫…、というか前より感度上がった?と思うくらい高感度。ジグヘッドが着底する感触で砂っぽいとか泥っぽいとか、石があるなど想像ができます。
折れる前より感度が良くなることは無いと思うので、気にして操作する事でその様に感じてるんだと思います。折れる前と同等の感度と言っても過言では無いかなと。w
まとめ
一本の折れたロッドでこんなに何回も直して試している方は居ないと思います。(もの凄く非効率なので…)
ですが、それをやったおかげで直す時の材料の違いを単純比較することができました。
直し方を箇条書きにすると…
- 折れた部分の割れを切り取る。
- 繋ぐ部位の太い部分に合わせてカーボンソリッドを5cm位切り出し面取りする。
- エポキシで下竿側にカーボンソリッドを接着する。
- カーボンソリッドの下竿から飛び出した部分を先竿の差し込みに合わせて細く削る。
- 先竿にエポキシで接着する。
- 繋ぎ目を中心に先竿側と下竿側に1.5cm位づつカーボンロービング をメタルロックを塗りながら3巻以上巻く。
- ラインテープで余分な樹脂を絞り出す。
- 仕上げに薄くメタルロックを塗る。
硬化時間などは端折りましたが、こんな感じですね。
因みに、このロッドは今でも気に入って使っています。この前も50cmのシーバスを釣りましたが、まったく問題ありません。(もっと大きいので強度テストしたいんですけどね。なかなか…w)
細かく書いたので読みにくい部分もあると思います、最後まで読んでくださってありがとうございます。
そして細かく書いたつもりでも、実際作業すると疑問が出てきたりします。もし疑問点などあればコメント頂ければ分かる範囲、私見になりますが答えていこうと思います。
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